ヒーローズ FOREVER

特撮ヒーロー番組について独自の想いを語る。

生きた意味 生み出したガルザ『魔進戦隊キラメイジャー』EP44

悪役がいてこそのヒーロー。
『魔進戦隊キラメイジャー』においてはガルザ。

王を弟が裏切って殺める。
昔から実際によくあるスタイルながら、その悪の人物像は深かった。

見事な演技で悪と立派な最期を表現されていました。
スーツアクターの矢部敬三と声優の中村悠一に感謝。

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出典:
魔進戦隊キラメイジャー EP44より

魂となったガルザ。
これは幻影のような状態。

赤い目は暗く、生気がない感じ。

しかし、魔進ジョーキーにこれからは充瑠の仲間になれ、と告げる時には斜め上を見て、キラリと光る。

充瑠に語りかける目は、キラキラと光る。

 

 

2021年 2月21日 9時30分~
テレビ朝日系列 放送

『魔進戦隊キラメイジャー』

「友よ、静かに眠れ」

 

監督        山口恭平

脚本        荒川稔久

 

 

 

 

オーブラング 無し

最終回 前となる今回、オープニングがありませんでした。

近年では、最終回はオープニングがないことが恒例化しています。
筆者的にも、それは特別な感じで気に入っています。

 

過去の特撮ヒーロー作品の中には、真剣な回、節目になる回など、一作品中に数回も、ちょくちょく!?ある作品もありました。
それは、特別感がなくなるので、好きではありませんでした。

 

さて『キラメイジャー』は最終回 前にない回となりましたが、最終回は通常通りでしょうか!? 
筆者は予想しています。
爽やかでキラキラ元気な『キラメイジャー』には、最後も いつも通りが似合うと…。

 

   

ギリギリ

前回最後、ヨドンヘイムの谷底に落ちた充瑠を置いて、戻って来た為クンたち4人と魔進オラディン。

全員が落胆していた。

しかし信じないファイア。
ずっとブツブツと独り言を言い続ける。

 

兄貴らしく時雨さんが、今は嘆いて落ち込んでいる場合じゃない、と発すると、小夜さん、瀬奈ちゃんも呼応。

瀬奈ちゃんは、元気よく勢いよく考えなく作戦!! と言ったものの、為クンに振る。

 

この状況で、何だかちょっと笑い系…。

微妙でした。
ヒンシュク限界ギリッギリです。

 

 

為クンの作戦

影の否、真のリーダー為クンは、ただ落ち込んでいたのではなく、作戦を考えていたのだった。

CARATが保持している3つのカナエマストーンの力を使って、攻撃を連携する。 

時間を戻し、ヨドン皇帝をヨドンナの姿に戻してから、封印して砕くというもの。

 

しかし、ヨドン皇帝の意識の世界で、ヨドン皇帝がヨドンナを殺した為、封印が解けてしまった。

為クンの作戦は残念ながら失敗となった。

 

 

史上かなりヤバそうな技

巨体で強大な力のヨドン皇帝が暴れ、成す術がないキラメイジャーの4人。

マブシーナ姫の呼びかけで、ファイアは今は戦いに向かうことに気持ちを切り替える。
キラメイジンで応戦。

ガルザにやられ寝込んでいた宝路さんがギガントドリラーで駆けつけ戦いに加わる。

 

しかし、ヨドン皇帝はパワーを結集させ強烈なエネルギー弾を放とうとする。

 

基本的に、ラスボスの技は強烈なもの。
しかしこのヨドン皇帝の「ヨドンデストロイヤー」は、その中でも、特に強烈に見えました。
本当に地球が終わりそう…。

 

そんなピンチの中、ヨドン皇帝の背後から襲ったのは、魔進ジョーキーだった。

 

 

 

仲睦まじく微笑ましい

充瑠が ビルの屋上に降り立つ。
キラメイジャーたちは、変身解除して充瑠の元に駆け寄る。 

嬉しさ、仲の良さが伝わる。
微笑ましい光景でも観ていても安堵感がありました。

 

特に今年に入ってからは この最終決戦に向かって回が進む中で、キャストさん方の一年間の経験と努力の集大成を見せて頂いているようでした。
今回はより感じました。

 

 

お見事

充瑠が経緯を話す。

充瑠は谷底に落ちて行く時、ガルザに助けられたのだった。

ガルザはヨドン皇帝に立ち向かう時、身体を捨ててブラックキラメイストーンに意識を飛ばした。
スモッグジョーキーとなって助けてくれたのだ。

魔進ジョーキーにこれからは充瑠の仲間となるよう伝え、消えた。

生まれ変わったら、オラディンと仲の良い兄弟になりたいと願って。

 

希望を充瑠に託した。
それがガルザの生きた意味としたのだった。

 

非業の人生であっても、生きる意味を自ら生み出し、全うした。
未来に希望を繋いだ。
その英雄たる姿、立派な生きざまに感動しました。

 

 

充瑠はスモッグジョーキーを運転し、ヨドン軍に渡っていた もう一つのカナエマストーン、イリュージョアを探すことにした。

そのとき、イリュージョアを手にしたクランチュラと出くわした…ということだった。

 

ところで……

助けられた充瑠は、魔進ジョーキーのコックピットでガルザを見る。

石に転送された意識である。
もう身体は無くなった。

これは分かり易くするための幻影、幻想なのでしょう。
イメージ力優れた充瑠だから、見えたということかもしれません。
ガルザとシンクロできた充瑠ゆえの場面なのでしょう。

 

しかし、その幽霊のような、幻のようなガルザが、見事です。
あの悪のパワーを漲らせてきたガルザが、今はもう意識のみの存在。

鎧のような着ぐるみコスチューム、表情の変わらない面。
座っているだけの動きがない。
頭を少し動かすだけのシーン。

 

気配を無くしての表現。
でも強い人として。
見事に伝わります。

矢部敬三氏、凄いなぁ…と、またまた改めて思いました。
素晴らしく、そして悲しく…。

もちろん、中村悠一さんのお声あってのことです。
あの身体から出ているようにしか思えません。
二人で一人。

そしてBGM、カメラワーク、ライト…脚本も演出も……
関わった皆さんの力で作られた役であり、シーン。

 

感動をありがとうございます。

 

   

隔たり 歩み寄り 

充瑠とクリエーターとして繋がっていたクランチュラ。

「ヨドン皇帝に歯向かって 生き延びた者はいない」

けれどもキラメイジャーなら、出来る!!

そう信じ、共闘することとなった。

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出典:
魔進戦隊キラメイジャー EP44より

 

このシーンでは……
撮影場所の屋上は、段差や溝などが幾つもあった。

その別の枠組みと枠組みの間に充瑠とクランチュラが歩み寄る。
隔たたれた世界から互いの歩み寄り、共闘、協調を表現されていた。

 

悪役クランチュラがキラメイジャー側に、ただ単に来たのではない。

相手を理解する。
受け入れる。
それは歩み寄ること……

さり気なく表現されていたようです。

 

   

新鮮 見易い

今回はオープニング映像が無かったので、エンディングダンスに乗せて、通常はオープニングに載せられているクレジットの数々が出されました。

とても新鮮でした。

オープニングがない場合、過去作では、小さな文字が下の方に流される形が多く、見づらいですが、

今回は映像に合わせて切り替わる形で見易かったです。

  

筆者の感想 

ガルザが ただの犬死でなくてよかったです。
はたき落とされての爆死は無情過ぎました。

先を読んで、自ら身体を捨て意識を転送し、充瑠を救った。
未来へ希望を繋ぐ。

自身の生きた意味を生み出した。
立派な人生、立派な最期でした。

生まれ変わったら、もう一度兄弟になって、仲の良い兄弟に…。

泣けましたね…。
今 思い出しても泣けてきます。

 

充瑠は、繋がれた命、生かされた命、託された者として、生きることが、託した人の生きた意味を意味とすることになる。

充瑠とガルザ、そしてそれは、視聴者それぞれにとっても当てはまること。

悲しいながらも、希望と、爽やかな力を頂いたように思いました。