『ウルトラマンレオ』は不遇の作品だった。
制作費のひっ迫から、理解出来ないほどあっけなく、大人のレギュラー陣を一掃してしまう。
ダンもMACも出ないホームドラマに転換する。
その上、残忍で残酷な演出。迷走の末、終幕する。
退場劇とMAC壊滅!!
森次氏が第40話で退場になるとは、調べ済みでした。しかし、あまりの突然。まさかの設定。これで終わりとは……思ってもみなかった。
宇宙ステーションで隊員のバースデー、ケーキを囲んでいた (そんなことしていていいの?) 時に、襲撃される。
ダンはステーションと共にただただ殉死。レオは地球を守る為に脱出するよう諭して。
……ただ……それだけ。あっけなく。まさかの簡単さ。
サラリと見ていたんです。ヒーローって助かるものだし……
しばらくしてから、で、どうなったのかしら?? と思いきや……終わっていた。という感じ。ビックリしました。
そう。隊員たちもいつの間にか。ステーションと共に全員殉死だったという事。
地球上でも惨事が起き、ミドレンジャー、富永み~なさんたちも、貼り出された死亡者名簿にカタカナの名前を見つける。というもの。(阪神や東北の震災が思い出されました……)
この縞々服の藤木悠さん演じるスポーツセンターの所長さんは、触れられず…。↑ は、もっと序盤の回の1シーン。
ゲンと子役さんのみを残し、ガラリと出演者を変える。
前記の負傷者の現場で出会った、富士さん演ずる看護婦さん宅に住まう事になる。そこの娘が杉田かおるさん。
ご都合主義の、とにかくの急展開。何とも凄い設定変更……
あの民話シリーズに観る気持ちがダレたけれど、まだあの方がマシだった…と、懐かしむ気持ちが出て来るほどでした。
MACが壊滅!! というのも……ヒドイ!!
いくら苦難を乗り越える! という物語だとしてもね。
変身するのは隊員じゃなくてもいい。一般人だって。
しかしやっぱり、ああいう組織や隊員の姿。ユニフォームも含めて、戦闘機に乗ったり、銃で応戦したり……の戦う姿がカッコイイ。ウルトラマンにはなれなくても、一般人の憧れる姿なんじゃないでしょうか? (筆者もウルトラ警備隊のヘルメット被って、ごっこ遊びしていました)
戦闘機や車……『セブン』はカッコよかったですよね! (筆者の兄の部屋にもズラリと並んでいました)
少年だけでなく、実は大人だって。視聴者はそういうのも楽しみ。
ヒーロー番組は、玩具が合わせて売り出されますが、ただのお商売ではなく、それぞれが必要であり、役割と価値があるものなんですよね。
『レオ』は残念、不遇でした。
現実世界のリアルなシビアさ
いくらシリアスに味ある作品を作りたくっても、一人でやっているわけではない。
物凄く多くの人々が関わっている一大行事。事業。
制作費なくては出来ない事。オイルショックまでもが重なり、苦しい問題が沢山あった事でしょう……
放り出すわけにはいきません。形にして閉めなくてはいけない。
スタッフさんキャストの皆さん、頑張って務められた事と思います。
ダンが出なくなり、物語は益々つまらなくなりました。筆者には正直BGM以下になっていきました。作業したり、立ち歩いたりでよく観ていない回もあります。
しかし、ここまできたのだから、何っとか見届けるとつもりでいました。いよいよやっと最終回の前まで来た。と思っていたら……
とんでもない残酷演出!!!
有り得ないっ!!!
よくも まぁーこんっなヒドイ事をっ。
酷過ぎるっ!
第50話 レオが敵に捕まり凍らされ、
ノコギリで切り刻まられるのです!
なんてヒドイ話!! 演出なんでしょ!!
ノコギリでギリギリし始め、シーンは変わる。
子役さんがバラバラになったレオの身体を見つける。
穴を掘って、レオの頭を取り上げ、埋めるのです。
その途中で襲撃が起こります。レオの頭とバラバラの手足に土が被りかけの途中です。
キングによって甦るのですが……
なんて残忍でヒドイ物語なのでしょう。今の時代だったら許可下りないでしょう。
それにしても、ヒーローをこんな事しちゃうようじゃ、そりゃ人気出無いわ。
酷い目に合っても甦っちゃうのが凄い事なのか??
新米ヒーローがレジェンドヒーローに鍛えられる。シリアスドラマだと子供たちに人気出ない。
簡単にカッコよくないと!
なのにヒーローを切り刻む。リアルに。
いったい??どういうセンスしているんだろうか!? 疑問だらけ。
物凄く悲しくなりました。
子供番組でも、ヒーロー番組でもない。志も意図もなくなって完走した。
筆者の感想
森次氏は、『レオ』の話はずっとされてこなかったそうです。
ダンが厳しい隊長で「レオを弱く見せてしまった」から……
人気出なかったから??……
ダンのあっけない退場の仕方?……
それだけではなく、裏事情にはもっともっと諸々の気持ちのよくない事があったのかもしれませんね……
どこの世界にも、色んな事があるのでしょうけれど……
「~たら」「~れば」は、ない。けれどあえて……
もしも、初めのスタイルで進行していたのなら、どうなっていたのだろうか……
残念に想いつつ、現実の困難な中、作品を作り仕上げたスタッフの方々、終盤のレギュラー陣の方々。
ウルトラワールドとダンを大切に、懸命に演じてらっしゃった森次晃嗣 氏。
そして、主演の真夏 竜氏は、ずっと変わらず、実直に演じてらっしゃいました。
タロウのテーマ曲に似せたであろう2つ目のテーマ曲、好きにはなれなかった。けれどいつの間にか馴染み、覚えてしまっている。筆者の耳には今も聞こえてくる……