スーパー戦隊シリーズ第24作『未来戦隊タイムレンジャー』は2000年2月から1年間放送された。
愛情と友情、人情……登場人物は皆それぞれに理由があり、優しさ、愛すべき点がある。メインライターは小林靖子先生。流石の内容となっている。
2000年という新たな時代を意識した作品。強い女性像と共に恋愛も二組描かれている。
子供だけでなく大人に向けた内容で、無理のない人物設定と進行で違和感なく楽しめる。子供にはウケがよくなく玩具の売り上げは芳しくなかった。
主題歌も女性ソロで、英語も多くロック調。異色。
タイムレンジャーは30世紀の囚人を逮捕するのが目的であり、一度も敵を殺していないのも特筆すべき点。
今回は、全50話のうち、中盤以降の20話を抜粋し視聴しました。
主なキャスト
浅見竜也、リュウヤ (二役) 永井マサル
タイムレッド (ブイレックス) 高岩成二
ユウリ 勝村美香
タイムピンク 中川素州
アヤセ 城戸祐次
タイムブルー 竹内康博
ドモン 小泉朋英
タイムイエロー 日下秀昭
シオン 倉貫匡弘
タイムグリーン 蜂須賀祐一
滝沢直人 笠原紳司
タイムファイヤー 今井靖彦
ロンダース囚人、ゼ二ット
押川善文、伊藤慎、神尾直子 他
[あらすじ]
ユウリ、アヤセ、ドモン、シオンは30世紀からやって来た。敵方ロンダーズファミリーたちを逮捕する任務。
5人いないと変身の初期起動が出来ない為、偶々出逢った現代人の竜也をレッドにする。
その後も5人で暮らしながら、普段はトゥモローリサーチという便利屋業をしている。売り上げがない時は、たくわんとご飯やカップラーメン1つを争奪することもある。
西暦3000年の時間保護局の特殊部隊タイムレンジャーの隊長リュウヤは、必要に応じて、戦闘機 (ロボ) を送り込んで来る。
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ロンダーズファミリーのリラ (久瑠あさ美) は、ドン・ドルネロ (千本松喜兵衛) の愛人で、気位が高く、自己中。宝石、ファッション、美容、グルメ……贅沢が大好き。
ホテルで優雅に過ごしていたところ、シティーガーディアンズ (竜也の実家が出資している警備会社、日本政府や内閣府と共同組織) に包囲される。
「動くと撃つ」に全く動じず「フンッ」と突き進む。容赦なく撃つシティーガーディアンズの攻撃で、ロボットのゼニットたちは壊れるも、リラは変身し姿を消す。
マスクが壊れるのは、放送当時は珍しく衝撃的だった。
その後のシーンは長く、芝居、戦闘、ロボのコックピットとずっとこの姿のまま、永井さんが演じた。
タイムレンジャーのメンバーは皆優しい。
未来の異星人ハバード星の生き残りのシオンは、特に純粋で素直。
そして ↓ このように異形であっても人と言い、敬語で話す。
囚人のD.D.ラデスは、罪を償う気持ちでいたがロンダースのギエンにコントローラーをつけられてしまった。逃げ出したラデスを匿い守る。
通常の変身は、服を投げ捨てると、インナースーツ姿となり、変身ブレスレットのボタンを押して「クロノスチェンジャー」と叫ぶ。
デジタルな変身中の映像となる。
主役回の一人が代表して映される場合が多い。
急ぐシーンでは、走りながら叫んで瞬時に変身、戦闘となる事もある。
↓ このように変身の前に戦闘が入る場合もある。
↓ は、シオン回なので別行動となっている。
タイムレンジャーが映画出演する夢の話。
センターは、映画スター役の澤山雄次さん。
皆で揃って手を動かしていたり、宝塚歌劇のパレードのシーンみたいです……
とても面白かったです!! ギャグ的お笑いから、映画のパロディーから、次から次へと展開する。細かいところまで作られていて……面白くて! 面白くて! 筆者はケラケラケラケラ声出して笑っちゃいました! こんなに笑ったの久しぶりでした!
流石! タイムレンジャー!
お笑いやっても面白い!!
もっ回 観たい!
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終盤、ドルネロ (右) とギエンは対峙する。
ギエンは、元は無邪気で優しい人間だった。ドルネロを庇い瀕死となり、ドルネロは機械人間として再生させた。
が、次第に人格が壊れ破壊を好むようになってしまった。幾度となくドルネロは忠告するが、ウィルスを世界に広めてしまう。
ドルネロは遂に見限り、制御キーを差込み幽閉する。しかし、歴史を修正する目的の為、リュウヤによって解放される。
ドルネロは、命の恩人であり、可愛がっていたギエンを撃つことは出来ず、ギエンに撃たれてしまう。
ドルネロは一人、息絶えるまでの間 いつもの葉巻を吸っていた。
そこへ竜也とユウリが探しに来る。
ユウリは家族をドルネロに雇われた殺し屋に殺害されたのだった。
ユウリは逮捕することを目的として生きてきた。
死に逝くドルネロに問うも
「覚えちゃいねぇな。そんなことは幾つもやって来たからなぁ……」(セリフ類は要約)
ユウリは愕然とする。
最後の時……ドルネロは
「リラ。おめぇは俺の母親に似てたって知ってたか?……」
目を閉じる。
ユウリは泣き叫ぶ。
この場面、筆者はドルネロ寄りではありますが、泣き泣きのポロポロでした。
後日、想い出してもまた泣けてきました。
ドルネロは、お金儲けを最大の目的とし、世界征服や殺戮を好まなかった。ギエンがウィルスを広めた時は、抗体のある自分の血をタイムレンジャーに売った。ワクチンを作らせ、それを奪い取り、高く売ろうとした。
悪役も基本的にはそれぞれ愛嬌や善いところ、悪に至る理由や経緯があるよう描かれている。
お金の素、ドルネロが死んでしまった。
歴史によると地球上の1/3が消滅する事になっているので、サッサと逃げるリラ。
「ドルネロ、少しは好きだったわよ」
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タイムレンジャーの仲間たちは、30世紀にいつかは帰るべき人たちである。
大消滅が起きるかもしれない。帰れなくなってしまうかもしれない。
その頃 既に、時間保護局からロボを出動させてもらえなくなっていた。
竜也は「このタイムマシーンで戦おう」と、皆を誘い込み、自動運転をセット、自分は降りる。4人を強制的に30世紀に送り返してしまう。
竜也は、大企業の御曹司、母方は旧華族の家柄。
同級生の滝沢直人は、一般庶民だった。
シティーガーディアンズの一隊員。
ハングリー精神と野心の塊。
時空を彷徨っていたブレックス (巨大生体メカ) を手に入れタイムファイヤーとなる。 負傷した隊長の後釜に座り、以降は本部長、会長 (竜也の父) と蹴落とし一気にのし上がる。
が、竜也の父に失脚させらる。立場も権力も居場所も存在価値もなくなってしまう。
リュウヤは、歴史データを書き換えていた。
滝沢直人、ブレックスの操縦者タイムファイヤーは、この日死亡すると。
大消滅が迫る中、直人はゼニットに撃たれる。
が、竜也に助けられ、避難所で手当てを受け一命を取り留める。
竜也とも分かり合えたかのようだったが……
直人は少女の逃げた小鳥を探している時、雑兵ゼニットに見つかり撃ち抜かれる。
駆けつけた竜也にブイコマンダーを託し、息を引き取る。
ゼニット役をされていたらしい押川善文 氏。
押川 氏というと、ヒーロー役をされるようになってからは、銃を得意とする役が多かったとの事。もしかしたら?! ↑ この方だったりして~と想像してみました。
このゼニットのデザインは、『さよなら銀河鉄道999』に出て来るロボットにとてもよく似ていますね。
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仲間たちを30世紀に返し、独りぼっちになった竜也。直人も死んでしまった。
しかし一人でも戦い、少しでも消滅の被害が軽減するよう戦うことを改めて決意する。
「正しい道なんてない。信じるしかない」
「生き方は変えられるよ。生き残ったら変えるよ」
30世紀では、歴史が修正されていた。
シオンは異星人なので、変わらないが、ユウリの家族は生きていた。
アヤセの不治の病は治療法が見つかっていた。
ドモンの処遇は1年間の試合出場停止と軽減されていた。
3人にとって良いものに変っていた。
20世紀での記憶を消される事になった。4人は20世紀での想い出を消されたくない。
突然、別れも言わず別れてしまった竜也が今も一人で戦っている……
4人は20世紀へ戻り共に戦う決意をする。
リュウヤは、それを知り阻止しようとする。
アヤセと対峙した時、銃が暴発する。
本来のブイレックスの操縦者でタイムファイヤーは、リュウヤだったのだ。
自身が死亡する歴史を知り、修正しようと全てを仕組んだ張本人だったのだ。
歴史は修正された。
それでも結局、自身が亡くなる運命は変わらなかった……
リュウヤは、永井さんの二役。この当時大学生でありデビュー作。
しかしながら、しっかり演じ分けされていました。
それぞれ思い切りのいいイイ演技。
当時も思いましたが、同じ人に思えません!! 改めて見てみて、やはり役者さんなんだなぁと思いました。
この番組以降、運動神経がいい事でも知られるようになります。
アクションシーンは、吹き替えもありますが、ご本人がされた部分も多く、切れ味もよかったです。
ギエンは最終決戦で遂に滅びてしまいます。
その前の瞬間、人間時代の心に戻ります。
そして機械の顔もバラバラと次第に崩れ落ちていきます……
戦いは終わり、大消滅は食い止められた。
ユウリたちは30世紀に帰らなくてはなりません。
このシーンは、エンディングの1シーン。
中央オレンジの服は、タイムイエローのドモンさん。
平穏な日常、竜也はドモンの残して行った彼女と子供を訪ねる。
この一家が『海賊戦隊ゴーカイジャー』第40話に登場するのです。
竜也は、子供の頃からずっと実家から逃げてきた。
タイムレンジャーの仲間たちと出逢い
「たとえ歴史は変えられなくとも、自分たちの明日くらいは変えられる」
を信念に戦った。
その戦いは終わり、仲間たちと別れた。
そして
「浅見グループ (家業) に向き合えるようになるよ」と……
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筆者の感想
スーパー戦隊の中で最高の名作!!
な~んて言うと、他の各戦隊のファンの方々、キャストさん、スタッフの方々に怒られてしまうでしょう……
筆者は、ヒーロー番組が好き。とは言っても、実のところ、そのほんの僅か一部しか知りません……
筆者の知る好きな戦隊の中で、好きとは別に、最も優良な作品であると思いました。
今回20話観た中で大部分でグッときました!! 泣ける話、場面が多かった。
一方、面白い時は面白い!! 声あげて笑った。
終盤4話は泣きっ放しになりました。
観ていて全く違和感のない物語進行、人物像。セリフ。心地よく視聴出来ました。
メインライター小林靖子先生が大部分を手掛けてらっしゃいました。
改めて『ギンガマン』が好きだった理由が確認出来た気がします。
もう一度!! 全部を視聴したいと思っています。いつか死ぬまでにもう一度。