一見、見た目のインパクト、ネタ、お笑いアリの軽い作品に見える。が、人間もジューマンも怪人もキャラが明確で心情がしっかり描かれている。それだけに敵方怪人幹部たちは残忍でもあった。考えさせられる味わい深いドラマ。観終えた後に爽快感が得られる。
出典:動物戦隊ジュウオウジャー 第48話より
シン・ジニスとの最終決戦で、地球のパワーを受けたジュウオウイーグルが強化変身した姿。イーグル・ゴリラ・ホエールの力が融合。ホエールのスーツでゴリラのように筋骨隆々、マスクはイーグルで背には翼が備わっている。
クリスマス時点での登場も構想されていたが、クリスマスが門藤操 寄りの話であった為、最終話での登場となった、とのこと。
1回しか使えないのはもったいなかったですが、それで大正解だったと思います。
最終決戦、凄かったです。そこで、この3つの力が合わさったのはとても良かったです。
筆者的には、この姿自体はあまり好きではないですが…。慣れなくて…。
このムキムキで飛んでいるのが、受け入れがたくって…。
でもお話としてとても良かったです。
『動物戦隊ジュウオウジャー』
第30話~48話
2016年 9月18日~2017年 2月 5日
[目次]
主な制作陣
脚本
香村純子、竹本昇、下山健人、田中仁
監督
柴崎貴行、加藤弘之、杉原輝昭
追加キャスト
バド(人間態/ジューマン態の声)/
ジュウオウバード(声)
村上幸平
風切景幸
国広富之
主なゲスト
第33話 相撲アナウンス(声) 高木達也
第36話 少年 飛田光里
第38話 亀男(声) 手塚秀彰
第39話 零 岩永洋昭
第40話 ノブオ 朝の優貴
第42、46話 看護師 羽村純子
第43話 リポーター 八代みなせ
スーツアクター 追加役
ジュウオウザワールド(代役)、ジュウオウバード
蔦宗正人
ジュウオウキング、ラリー、シン・ジニス
日下秀昭
アザルド、アザルド・レガシー
岡元次郎
トウサイオー、ドデカイオー、ジニス(下段)
藤田洋平
ストーリー
第32話「心は裏表」
一見、愉快そうな怪人オモテウリャー(声・三上哲 )の技によって、本心を見せるようになる。
人間の場合は目の周りに赤いラインが入り、暗いアイラインもクッキリ。悪態をつき、意地悪。悪口を言う。
変身したジュウオウジャーの場合は、マスクの目の黒い部分に赤の逆三角を貼ってある。
裏の顔、本心といっても、皆ここまで悪くない。こんな人は極一部の悪人で…。でも、子供番組的には分かり易い。
ジュウオウライオンは変わらない。 いつも本心を言っていて、全く裏表がないから、ということでした。
筆者もこのレオ君並みに裏表がない。
かつて先輩に「人は言ってることと思っていることは違うのっ!!」とキレられて、??でした。
その先輩は確かに、いつも元気に作り笑顔でした…。
その出来事が思い出されました。
第34話「巨獣ハンターの逆襲」
バングレイは手で頭に触れると、記憶を実体化させることが出来る。
以前戦った怪人なども…。
ジュウオウジャーたちは、真理夫叔父さんが作った動物の被り物を被って、頭を防御することにした。
変身後も被っている。名乗りのポーズも。
笑えます。
ジュウオウジャーはこのポーズをほとんど全部??の回で行われる。
同じ映像の使い回しだけでなく、その回によって変化もあるのが、筆者的見どころであり、お気に入りポイントでもあります。
ジュウオウジャーの姿に被り物を乗せての戦闘シーン。
バンドで止めていてもズレそう。押さえながら…。
オモシロイ。
その後のシーンでも。
彼らは真面目な作戦なのです。
展開はいつの間にかジュウオウジャーとバングレイの騙し合いとなっていました。
普通に見ていると、視聴者も騙されます。
見え見えでないところがよく出来ていました。
第35話「ジュウオウジャー最後の日」
記憶から作り出された偽物のジュウオウゴリラによって、大和はボコられ、囚われ…。
物語上の偽物とはいえ、悲しくなりました。
クバルはジニスに恨みを持っており、倒す隙を狙っていた。それをバングレイに見抜かれてしまったので、バングレイに従いつつ、こちらの隙も狙っていたのだった。
クバルはバングレイの記憶を読める手を切り落としてしまうのだが、巨大化できるコインを餞別に と渡す。
筆者的には、餞別なんてあげなくていい、甘いなっとも思うけど、物語的には必要ですものね。
第37話「天空の王者」
サグイルブラザーズ(声・木内秀信、優希比呂)陽気なノリのラップ調。双子だと思ったら、倒しても倒しても復活する。
同時に倒さないといけなかったのだ。
二人で縄をつかった攻撃をする。というか、足を引っかけたり…単純に面白いもの。
遂にバドさんが変身する。
ジュウオウイーグルの色違いでオレンジを基調としている。
第38話「空高く、翼舞う」
大和は父と確執があった。幼い頃、母の臨終に立ち会わなかったからだった。
その幼い頃、大和は鳥人間に命を助けられ、リンクキューブをもらっていた。それをお守りとして生きてきた。
その鳥人間がバドさんだったのだ。
バドさんは戦いに加勢し、そして、また傷ついた大和を助けてくれた。
バドさんはかつてジューランドから人間界へやって来た。
そして傷ついたところを大和の父に助けられた。そのせいで、父は母との最後の別れに間に合わなかったのだ。
だからバドさんは、命の恩人の子である大和を助けてくれたのだった。
自分のジューマンパワーを分けて。
真実を知った大和は激しく動揺する。
しかし、そこでまたサグイルブラザーズが出現。
大和とバドさんが息の合った攻撃で倒す。
結局は巨大化復活してしまいますが…。
ところで、
ロボのコックピットシーンで書きそびれていた事。
座り方。
男性陣は、ドンと足を開いて座っている。
ジュウオウタイガーは内股に。
ジュウオウシャークは、足を揃えて右横に。
シャークは本来足がないですものね。人魚ポーズをイメージされます。
でも撮影は長いだろうから、ちょっと大変かな?? 内もも鍛えられますね。
第43話「クリスマスの目撃者」
クリスマス恒例、お笑い系のノリ話でありつつ…。
ジュウオウジャーたちは、いつもお世話になっている叔父さんにプレゼントしようとケーキ売りのバイトをして、セーターを買う。が、叔父さんは旅に出ていて渡せず。
その叔父さんが旅に出る時、変身するところを目撃されていて、正体を知られてしまう。
帰国した叔父さんは、自身の顔を描いたピンクのスーツを着て、「人類の王者」として共に戦うことを表明する。
出典:動物戦隊ジュウオウジャー 第43話より
それは止められ、今まで通り生活を支援することにする。
この姿もまた強烈ですねぇ。
ヒーローと一般人の違いが明らかに表現されていますね!!
第45話「解けた封印」
アザルドは全身が複数のキューブがくっついて出来ているような風貌。
今までも、倒してもそれらが ばらけて またくっいて再生していた。
ロボ戦では、アザルドがコックピットに乗り込んでくる。
『ジュウオウジャー』ロボのコックピットは、実に簡単な感じ。
キューブの中にある操縦席は、四角い枠に仕切られた席があり、操縦ハンドルもキューブを回すだけ。
シンプルというか…ショボイ…というか…。
キューブを積みかさねたロボだから、あえてそういうデザインなのでしょう…。
でも、荒々しく乗り込んでこられると、ピンチな気分になりました。
不思議ですねぇ!!
アザルドは、実はそれは仮の姿だった。
かつて、狂暴で強靭なアザルドが傷ついていたところをジニスが封印した。
記憶を無くし、おとなしくなった。手下として使っていたのだった。
その封印が解け、真の姿を現した。
ジニスのいうこともきかなくなった。
それでもジニスは、まだまだ余裕な様子で放置する。
この回では、ジュウオウバードを加えた7人での変身も見どころで、ワクワクする。7人バージョンの名乗りポーズも嬉しい。
第46話「不死身の破壊神」
アザルド・レガシー、強靭でこれまた何度でも復活してしまう。大激戦。
ジュウオウジャーは大苦戦する。
母、最後の日のこと。父のこと。バドさんのこと。真実を知った、気持ち乱れたままの大和。
大激戦の間もハケがなく、上の空…。
野性的な…というか野生の本能を解放し、4人はどんどんガンガン戦いに集中。
ジュウオウライオンは、ジュウオウホエールの操縦ハンドルにセットされていた、ホエールチェンジガンを「ちょっと借りるぞ」と抜き去り、4人で外へ出てアザルドレガシーの核の部分へ放つ。
ジューマン4人の戦いぶりが頼もしく、カッコよかったです!!
倒すことにも成功する。
たいていはレッドが特別で、他の4人は劣るパターンがほとんど定番。
『ジュウオウジャー』は4人が強いので嬉しいです。
第47話「最後のゲーム」
アザルド・レガシーは倒せたものの、ジニスが天空に映し出される。
不気味。
巨大獣も怖いだろうけど、薄っすらだけど空いっぱいに現れるのも怖いと思いました。
大和は母のお墓参りに来ていた。そこで父と会う。長い期間のすれ違い。男同士??もあり、すんなりあっさり明確とではないけれど、和解出来た。
沁みるシーンでした。
大和は戦いへ向かう。
戦いを終えてジューマンの友達を合わせる約束をして……
沁みます…。
第48話「地球は我が家さ」
ジュウオウジャーの前に姿を現したジニス。
そこで大和はもの凄い視力によってジニスの正体を見てしまう。
ジニスは、極小なメーバの集合体だった。自ら下等生物であるコンプレックスから、最強を求めて遺伝子改造を行った末の姿だった。
ジニスは正体を知られて激高する。
揺るぎない忠誠心で守ろうとしたナリアをも許さず、立ちはだかっている後ろから殺してしまう。
怒るジュウオウジャーたち、ジュウオウイーグルの「野生大解放」。
ジニスはシン・ジニスと化すも、魂の猛攻撃によりジニスを倒す。
ジューランドと人間界は繋がる。
だぶり重なるように繋がってしまった。
いいのだろうか!?
それでも平和に仲良く共存できたら、それはそれは凄い世界ですね。
皆が大和やお父さん、叔父さんのように…。
あり得ないような世界の様子だけど、とても爽やかな気分になりました。
最後のダンスは、ロングバージョン。
大和のお父さん役の国広富之さんもバドさんと踊っていた。
びっくり!!
バドさんの村上幸平さん。「仮面ライダー555」のレジェンドさん。
両作とも 渋い表情だったけれど、最後のダンスでは、満面の笑みとノリで踊っていらっしゃるのにもとてもびっくりしました!!
国広さんの笑顔も相変わらず素敵でした。
筆者の感想
放送当時はあまり好きではなかった『ジュウオウジャー』。
ジューマン態、まず最初にそれが受け入れがたかった。
キューブ型のロボも。ある意味、斬新でしたよね。
合体ロボという観点からも、本来の形だったのかもしれませんね。
全部が四角いのでカッコイイってことはないけれど、こういうのもあっていいと思います。
動物戦隊なのに、キューブっていうのも意外でしたね。
筆者の好きな 寺島進 氏が被り物をしている変わった叔父さんなのも腑に落ちませんでした。当時、大河ドラマ『真田丸』で かなり強面の出浦昌相 役を同じ1年間されていました。日曜の朝と夜に。
この差も面白くも怖いものがありますね。
真理夫叔父さんは凄く優しい。こんな人になれたらいいなと思いました。
芸術家らしく??ちょっと変わっていているけど…。
出番が、妙にアッサリ、プツッとした感じだったのが気になりました…。
簡単ぽい作りに見えました。
それも芸術家らしく?? 変わっている?? 創作活動に夢中で忙しいってことだったのかなぁ…。
レッドが人間で、他の4人がジューマン。他の作品同様レッドが主役だから特別視され、特別な力があったりします。追加戦士もです。
どうしても他の4人が軽く扱われてしまうことが多いのが残念に思われてきましたが、この『ジユウオウジャー』では、特に最後、ジューマンの4人がとても強い!!
野生だからかな…。その点がとてもスカッとしました。
操 君は、当初とにかくイライラする嫌なキャラでした。
アムちゃんも可愛くて好きだけど、共感する部分はありませんでした。
セラちゃん、レオ君、タスク君には共通するものを感じました。
番組を通して考えさせられ、勉強になりました。
大和は、冷静でイイ人。でも、最後のあたりはホント沁みした。
一見軽そう?? でシンプルそうでいて、しっかり描かれている作品でした。良い作品。
筆者の大好きな作品の一つとなりました。