よくはある「ループもの」には収まらず、深い味わいをもたらす回となっている。eスポーツのトップ選手 射水為朝/キラメイイエローという人が、ライバル川田洋次郎、敵方怪人リセットボタン邪面と共に、時のループを繰り返し苦悩の末、本気の全力で道を切り開く。
出典:魔進戦隊キラメイジャー EP11より
ライバル川田から受けた言葉、繰り返される戦いへの分析、本気の全力で立ち向かうことに気づく為朝。
川田の引退戦を2人だけでやり直して為朝が勝利する。
為朝の得意キャラでの全力戦で敗北し、潔く引退できる川田は「思い残すことはない」と述べる。
2020年 6月21日 9時30分~
テレビ朝日系列 放送
『魔進戦隊キラメイジャー』
「時がクルリと」
脚本 井上テテ
監督 渡辺勝也
[ゲスト]
川田洋次郎 天羽尚吾
実況 平岩康佑
[怪人]
邪面師
リセットボタン邪面(声・浜添伸也)
邪面獣
ハッシャボタンリガニー
[目次]
恨みつらみ 呪い
eスポーツの試合で射水為朝は、得意キャラではないキャラで軽く勝利する。
終了後、対戦相手の川田洋次郎は、為朝の髪を引き抜き「呪う」と言って去る。
時のループにより繰り返されることは、少しずつ違う。
繰り返されるうちに為朝は、いかにもアヤシイ男、川田の呪いのせいだと考えるようになる。
何度も繰り返されるうち川田は言う。引退後は実家の蕎麦屋の後を継ぐと。
引退戦だと思い臨んだが、為朝は全力ではなかった とも。
そして充瑠の言葉をヒントに気づいた為朝、全力での再選を申し込む。
大差の実力で敗れた川田は、清く清々しい顔をする。
キレイさっぱり引退できる。
「思い残すことはない」と。
これは、ループで繰り返されているし、
その意識が為クンにある。
もし そうでなかったら……
いつもの得意キャラでなくても勝てる為クンは凄いんだけど、
川田さんには、引退戦を全力精いっぱいで出来ずに敗退し、気持ちの整理をつけることが出来ないまま、恨まれていたってことですね。
知らぬ間に恨みを買っているってことですね…。
実際、似たようなことは私たちの生活の中で、ちょくちょく起こっていることなんでしょうね…。
天羽尚吾さん
川田洋次郎役の天羽尚吾さん。
アヤシイ雰囲気。
物語の演出として、悪役か?? 時のループの犯人か?? と思わせている。
そのアヤシイ演技が見事でした。
ホントにそういう人に見えました。
引退のこと、全力で戦ったと言えるのか!? と問うところ、
最後の再戦の後、憑きのものが落ちたようなサッパリとした表情。
よかったです!!
瀬奈 ヒステリック
財布を無くしてイライラしている。
けれども、結構キツくないですか??
いくらお財布をなくして焦っていても、仲間にそんな風に言うかな??
そして、仲間がお財布探しているのに、時雨さんと小夜さん、マブシーナ姫が無視、無反応っておかしくないですか??
実は、だから余計にイラついていたりして…。現実ならそっちの方かも。
リセットボタン邪面
リセットボタン邪面がノリノリ。
スーツアクターは、クレジットの位置から大林勝氏かなと思われます。
初めは弱かったけれども、飽くなき精神でリセットを繰り返す。
その度に、戦闘経験を少しずつ学び強くなっていく。
コツコツコツコツと。
あの手この手と、攻略しようと対策してくる。
立派です。不屈の精神。感心しました。
しかも陽気で明るく、オチャメ。愛嬌がある。
路地裏
リセットボタン邪面がリセットすると、
路地裏のような所から始まる。
なぜ、ココなのでしょう??
いったいどんな意味でこの場所が選ばれたのかしら??
人知れず、地道にってことかな??
カメラワーク
カメラワークと言ったらいいのか、素人なので分かりませんが…。
キラメイイエローとリセットボタン邪面との対戦シーンで、
画面を2分割して映された。
このように……
出典:魔進戦隊キラメイジャー EP11より
そして、それぞれのカメラが動き、広い範囲が映っていく。
それがそれぞれ重なり一つの画面となった。
面白かった。
2人はその距離だったのか…と。
気の毒になった
リセット邪面とキラメイイエローの戦い。
しつこさ、否、集中力、作戦力、素早さ、実力……
イエローが勝った。
リセットボタン邪面は、リセットボタンを進呈し退散する。
ヨロヨロと路地裏に戻ると、ガルザに切られてしまう。
あんなに頑張ってたのにな…。
かわいそう。気の毒に思いました。
明るく楽しく、繰り返し戦ったその勇姿に拍手を送りたい気分。
亡くすには惜しい邪面師でした。
オマケ
戦いの後は、またループか!? まだループなのか!? 終わってなかったのか!?
というオマケつき。
そんなわけないんだけどね。
為クンも慌てた。嫌そうだった。
その気持ちに共感。
やっと攻略、ひと段落ついたと思ったのに。
もっ回なんてヤだもんねぇ。
筆者の感想
前回の予告編で「ループもの」と分かった。
筆者は『未来戦隊タイムレンジャー』のお話を思い出しました。いいお話でした。
で、「ループもの」ねぇ…。どうかなぁ…と、実はあまり期待しなかった…というか、
特別楽しみではありませんでした。
ちょうど放送日の頃、仕事のことで頭がいっぱいで、なかなか策が決まらなくて悩んでいました。
考えがグルグルグルグルと、結局振出しに戻ってしまって ちっとも進まなかった。
ふと「堂々巡りだわぁ…」と、お手上げ気分になりました。
その時、予告編を思い出しました。
為クン回「ループ話」。
つまり堂々巡り。
早く観たくなりました。
何かヒントになれば…と。
そういうドンピシャな時期でもあったので、凄く沁みました!!
為クンとリセットボタン邪面の飽くなき精神に力をもらいました。
川田さんの「思い残すことはない」にも涙が出ました。
一つひとつの出来事も、人生自体が、そうなのだと思います。
「苦手なこと、越えるべきことが、何度も何度も……攻略するまで。気づき、成長するまで起こる」
子供の頃、母はそう教えてくれました。
エピソード11「時がクルリと」
面白く、明るく楽しく、今風でありながら、とても深いお話でした。