感情のなかったナーガが悪落ちしてしまう。
相棒 バランスとのやり取りや戦いが、とても悲しく せつない。
そうかと思うと「ジャーク戦隊ゴインダベー」による物語の振り返りをしつつ大お笑い回もある。
過去の世界でオライオンと出会い、シシレッドオリオンが誕生する。
出典:宇宙戦隊キュウレンジャー space.27より
ジャークマターの戦闘員、インダベー(精鋭??)により結成された「ジャーク戦隊ゴインダベー」。
何を言っているのか わからないインダ語で名乗りを一人一人高らかに述べ。
ドン・アルマゲ様の計らいにより、直々の合図により盛り上げ爆破も行われる。
『宇宙戦隊キュウレンジャー』
第5章「タイムトラベル編」
space.26~31
2017年 8月20日~ 9月24日
主な制作陣
脚本
毛利亘宏、井上テテ
監督
柴崎貴行、須上和泰、杉原輝昭、加藤弘之
声の出演 追加配役
ナレーション、セイザブラスター音声、ダークセイザブラスター音声
木村昴
主なゲスト
恒松あゆみ、宍戸開、他
スーツアクター
space.27
インダベー
矢部敬三、草野伸介、伊藤茂騎、下園愛弓、高田将司
ストーリー
space.26
「闇の戦士、ヘビツカイメタル」
ナーガは一人落ち込んでいた。
惑星トキのゼンマイ前に誰も出てこなかったからだ。
自身に感情がないからだと思い、より一層 欲するようになっていた。
トケイキュータマで過去へ行くための作業にバランスは当たっていた。
その間、他のメンバーはナーガを元気づけようとバーベキューをする。
落ち込んでいたナーガを励ますつもりで声をかけたハミィは「バランスにいつもくっついているからよくない。自分で考えないとダメ」などとアドバイスする。
そこへフクショーグンのアキャンバーがやって来る。
感情を解放し、操って狂暴化させる能力があるアキャンバーは、ナーガに誘いかける。
ナーガはダークナーガとなる。
変身後はヘビツカイメタルとなり、アキャンバーと共に行ってしまう。
オリオン号に戻ったキュウレンジャーは、バランスに頭を下げる。
ショックを受け、戸惑いながらも平気を装うバランス。
筆者も観ていて、悲しいせつなく、気まづずくて申し訳ない気分になりました。
過去へ行くための設備は出来上がっていた。
バランスは残ることを希望する。
それを受け、ラッキーとハミィ、ガル、小太郎も残ることとした。
space.27
「オリオン号でインダベーパニック!?」
ツルギは倒したと思っていたドン・アルマゲ。
しかし、永い眠りから覚めると、この時代にも存在していた。
ドン・アルマゲの秘密を探る為、過去へ向かうことになっていた。
過去へ向かうチームはツルギとショウ司令、チャンプ、スティンガー、ラプター、スパーダ。
過去へのワープ中、不審者を発見。
ダークマターの雑兵インダーベー4体が潜り込んでいた。
インダベーはヘルメット??(怪人顔のフルマスク)を外すと話すことが出来た。
インダベーはダークマターが開発した生命体インダ。
扱いがひどいく、嫌になったと言う。
キュウレンジャーたちは同情する。
が、それは嘘。
その隙にリーダー格の1体がオリオン号のメインコンピュータを操作していた。
キューレンジャーの作戦を阻止するアキャンバーの命令だった。
原子時代に不時着する。
インダベーたちはキュウレンジャーを倒して出世する、という夢に決意を確認。
円陣を組む。
インダベーは、カッコよく??一人一人インダ語で名乗りを上げ、ポーズを決める。
そして全員で「ジャーク戦隊 ゴインダベー!!」
ドン・アルマゲが空に浮かび上がり、指を鳴らして合図。
(本記事、最初に記載シーン)
その後ろで爆発!!
一応カッコイイ…シーンのハズ…
だったが、爆発に驚く小心なサマ。というオチ。
キュウレンジャーは「変身するまでもない」と そのままで。
ショウ司令は、仕切ろう、決めようとするがギックリ腰で引っ繰り返る。
変身しなくても強いキュウレンジャーと弱いインダベー。
ツルギは ちゃっかり最後に一人だけ変身し技を放ち、一か所にまとめたインダベーを一掃する。
オリオン号は目的の時代へ向かうのだった。
初めのオリオン号に潜入したインダベーを捕獲するシーンでは、スティンガーがプロレス技で捕えていた。レフェリーはチャンプ。
そこで使用されているプロレス技は、サソリ座の星のスティンガーなので、てっきりサソリ固めだぁ!! と思ったけど、よく見ると、ちゃんと足がクロスにロックされていなかった。
残念…。
長い撮影でダメージが出てしまうからかなぁ??
筆者は くらったことないから、どんな痛みがあるのかわからないんだけど。
体験してみたくなってきたわ…。
インダベーたちは、過去の戦いでキュウレンジ―にやられた「あの時のがオラだべ」と説明。映像が流される。
物語の振り返りも兼ねられていた。
上手い具合に作られています。
それでいて、吹っ飛ばされた多数の雑兵一人のことをそりゃあ覚えては いないよな。
と、誰もが言いたくなる。
面白い発想でした。
楽しい楽しいお笑い回でした。
space.28
「怪盗BN団解散…」
変貌してしまったナーガがアキャンバーと共に現れた。
バランスは自分が話せば戻ってくれると信じていたが、攻撃をくらう。
シシレッドたちはアキャンバーから元に戻す方法を知らされる。
それは、死にそうなくらいの痛みを与えること。
しかしバランスはナーガへ攻撃することはできなかった。
ナーガにそっくりな女性、エキドナが現れる。
ナーガの一族は皆 同じ顔をしている。
元々は気性が激しかったが、平和を保つ為、感情を捨てたのだと言う。
一方、過去の世界でツルギたちは、ドン・アルマゲの最後を見た。
その後ツルギをコールドスリープさせたオライオンと会う。
現代では、バランスは決意していた。
「一人だけ痛い思いをさせないよ」と一緒にくらう。
ボロボロになった二人。
バランスは手を伸ばす。
が、ナーガは元に戻っておらず、憎しむ感情をたぎらせるようになっていた。
アキャンバーと共に行ってしまう。
その時、オリオン号からの救難音が鳴る。
オリオン号が朽ち果てた姿となっているのを発見する。
前回のお笑い大笑いから一変。
筆者は泣きました。
バランスとナーガのやりとり、戦い。
めちゃくちゃ せつなかったです。
space.29
「オリオン座最強の戦士」
ラッキーたちは朽ち果てたオリオン号の中に入る。
中もボロボロで誰もいない。
セットされたままのトケイキュータマを使い、ラッキーは過去へ向かう。
到着するとトケイキュータマは壊れてしまった。
ツルギたちはドン・アルマゲにやられて負傷していた。
スパーダはツルギが倒した時間へ行き、一緒にもう一度倒そうと提案するが、トケイキュータマの効力を1回分残しておかなくてはならない。
なのでその方法は使えない。
ラッキーは敵陣も弱っている今、戦うべきだと主張する。
しかしラッキーは重傷を負ってしまう。
space.30
「ヨッシャ!奇跡のキュータマ」
ツルギは かつて死にかけて、ホウオウキュータマに永遠の命を与えられていた。
その力をラッキーへ注ぐ。
ジャークマターとの決戦ではスティンガーたちが堪えていた。
復活したラッキーは新たな力でシシレッドオリオンに変身する。
ラッキーはオライオンの遥か未来の子孫だったのだ。
姿を現したドン・アルマゲを撃破する。
出典:宇宙戦隊キュウレンジャー space.30より
ラッキーたちが戦い終えると、膝をついて座っているオライオン。
この次に映される画は、オライオンの服の裾。
そこからカメラの視線が上がって行くと、それはオライオンの墓標だった。
木で作られた十字架にオライオンの服がかけられていた。
筆者はドキッとし、とても悲しくなりました。
キュウレンジャーたちの戦闘シーンでオライオンが目を閉じるアップがありました。
筆者は、キュウレンジャーの立派な戦いぶりに感動し、祈っているのかと思っていたんです。
あの時 死んだってことだったんですねぇ。
それらは全て計算されたものだったんですねぇ。
いい演出でした。
オライオンがいなくなるとキュウレンジャーを語り継ぐ人がいなくなっては、現代のキュウレンジャーが存在しなくなってしまう。
ショウ司令はこの時代に残り、オライオンに変わってキュウレンジャーを伝えると言う。
せつなくカッコいいシーン。
すると、チャンプも調べたいことがあるので残る。
一人より二人の方が現代に戻る方法も思いつくと言う。
ショウ司令は「せっかく一人カッコよく決めようと思ったのにぃ…」とお笑いに…。
カッコよさとせつなさ、そのキャラクターらしさ、心情がしっかり表現された作品ですね。笑いと爽やかさもあって…。
space.31
「ナーガ奪還大作戦!」
バランスに恨みを募らせたナーガはガルと小太郎を人質にして誘い出そうとする。
バランスとラッキーは攻撃をくらい爆散する。
が、それは作戦だった。
バランスはナーガの体内のミクロインダベーに操られていると解析していた。
バランスたちはミクロサイズとなり体内へ入った。
そこには 善いナーガの心が眠っていた。
強い呼びかけに無事戻すことに成功する。
ナーガは怒りの感情をコントロールすることが出来るようになり、ヘビツカイメタルも一つの力として使うことが出来るようになる。
巨大戦では、悪のヘビツカイメタルがジャークマターとして出現。
せっかく、ナーガが元に戻った。
ヘビツカイメタルの力も 能力として使えるようになったのに、今更ジャークマターとして出て来るのが理解できない。
ボディが真っ黒で少し違うものの。
そういった経緯が分からない…。
せっかく、ナーガが闇落ちしてとても悲しかったけど、バランスの頑張りで取り戻せてよかった!! というのに、気分を損ねました。
最後にこれが足を引っ張って台無しにしました。
『キュウレンジャー』の汚点ではないでしょうか。
筆者の感想
緩急激しいドラマです。
盛り沢山。見どころ満載です。
前記33話の巨大戦以外は、とても充実した第5章でした。
感情がない というナーガだけれど、微妙な心情を表現されてきた山崎大樹さん。
突然の悪役に転じました。
その怒りがこみ上げて爆発する。それを喜ぶ姿。怪しい様子。
ヘビツカイ座の一族という怪しいイメージをバッチリと演じていらっしゃいました。
その一方で、一族の女性として役も登場。
一族は皆 同じ顔をしているという。
同じ顔だが、同じ人物ではない。
けれど感情がない。そして女性である。
それらをうまく演じ分けていらっしゃいました。
バランスのスーツアンタ―は大林勝氏。
軽いノリのバランスをいつもコミカルに演じていらっしゃいます。
今回は階段落ちや砂山から転げ落ちる激しいシーンもありました。
ナーガを取り戻そうと一生懸命な様子が表現されていました。
声の担当は小野友樹さん。
大林氏の的確な表現された動きに、これまた見事に乗せていらっしゃり、バランスの心情、微妙な変化を余すことなく聞かせてくださっています。
お二人の職人技が掛け合わされ、人物像が浮かび上がっていました。
物語が存分に味わえました。
元怪盗のバランス。ペテン師。
ナーガのことも初めは利用していた。
正義の心も持っているけれど、少々軽いノリでキュウレンジャーになった。
いつしか立派な正義の一員になっていた。
ナーガとのコンビは素晴らしい。
まさに相棒。
見ていて微笑ましい名コンビ。
名トリオ。