桐生戦兎は決して ただただ善い人ではない。
自ら「筋肉バカ」と名乗っている万丈龍我を少々バカにしている。
口悪い。
少々態度も悪い。
武器でおちょくったりもする。
出典:仮面ライダービルド第12話より
真面目に泣いて語った美空の感動的なシーンをモノマネをしたり もする。
超クリーンなヒーローではない…。
聖人君子ではない。
けれども、人々の為に戦う そのマスクの中では顔はクシュッとなっている。
見返りを求めない真のヒーロー。
桐生戦兎は演ずる犬飼貴丈さんにとても似合っている。
主人公、桐生戦兎は平成仮面ライダー史上最高IQの天才物理学者。
変身には動物や機械などの力を封じ込めた「フルボトル」2本を用いる。
実験と称して戦いの中で組み合わせを変え、「勝利の法則」を編み出す戦闘スタイル。
平成仮面ライダーシリーズは商品展開からドラマを作っていたが、今作品は逆となった。
監督 田崎竜太
敵組織に人体実験された主人公の科学者がバイクに乗って怪人と戦う。
初代『仮面ライダー』を意識した。
脚本 武藤将吾
原作版『仮面ライダー』から着想を得た。
「逆境に立たされても打ち勝つ、道を切り開くヒーロー」
「元から凄い天才が変身しても面白みに欠ける」ので単細胞の相棒との掛け合いにより心情を吐くバディスタイル。
逆境要素は「脱獄して陰謀に立ち向かう」
戦兎は記憶喪失。
プロデューサー 大森敬仁
「バディもの」、物理学者が変身、を希望。
本作は「高度文明への警鐘」と「科学発展の果ては戦争なのか」がテーマ。
16話までの第1章は謎解きがメイン「平成仮面ライダー1期のようなもの」
序盤で戦兎やブラッドスタークの正体を明かしたのはSNSの時代、すぐにバレてしまうから。
『仮面ライダービルド』
2017年 9月 3日~2018年 8月26日
主な制作陣
監督
田崎竜太、上堀内佳寿也、諸田敏、中澤祥次郎、山口恭平、柴﨑貴行
脚本
武藤将吾
音楽
川井憲次
アクション監督
宮崎剛
アクション監督代行
おぐらとしひろ、渡辺淳
特撮監督
佛田洋
主題歌「Be The One」
作詞・作曲・編曲
小室哲哉、浅倉大介
歌
PANDORA feat.Beverly
キャスト
桐生戦兎/仮面ライダービルド(声)、佐藤太郎
犬飼貴史(2役)
万丈龍我/仮面ライダークローズ(声)
赤楚衛二
石動美空
高田夏帆/森山のえる(幼少期)
猿渡一海/仮面ライダーグリス(声)
武田航平
内海成影/仮面ライダーマッドローグ(声)
越智友己/大竹優青(幼少期)
滝川紗羽
滝裕可里
氷室幻徳/ナイトローグ(声)/仮面ライダーローグ(声)
水上剣星
石動惣一/ブラッドスターク(声)、エボルト(人間態)
前川泰之
氷室泰山
山田明郷
多治見喜子
魏涼子
御堂正邦
冨家規政
葛城巧
木山廉彬
葛城忍/仮面ライダービルド(声)
小久保丈二
難波重三郎
浜田晃
赤羽(大山勝)/キャッスルハードスマッシュ(声)/キャッスルハザードスマッシュ(声)/キャッスルロストスマッシュ(声)
栄信
青葉(相河修也)/スタッグハードスマッシュ(声)/スタックハザードスマッシュ(声)/スタッグロストスマッシュ(声)
芹澤興人
黄羽(三原聖吉)/オウルハードスマッシュ(声)/オウルハザードスマッシュ(声)/オウルロストスマッシュ(声)
吉村卓也(伊村製作所)
鷲尾風/リモコンブロス(声)/ヘルプロス(声)
足立理/高岩芯泰(幼少期)
鷲尾雷/エンジンブロス(声)
那須田雄大/渡辺虎雅(幼少期)
声の出演
ナレーション
バッキー木場
エボルト/ブラッドスターク/仮面ライダーエボル、エボルドライバー音声、エボルトリガ―音声
金尾哲夫
ベルナージュ
天宮天
ビルドドライバー音声、ネビュラスチームガン音声、ジーニアスボトル音声
小林克也
スクラッシュドライバー音声、クロコダイルクラックフルボトル音声、クローズマグマナックル音声、グレートクローズドラゴン音声、ジーニアスペトル音声、グリスブリザードナックル音声
若本規夫
ガーディアン、スマッシュ
小峰一己
主なゲスト
葛城京香 古村比呂
その他
他山崎将兵、岡田和也、伊藤梨沙子、新虎幸明、崔哲浩、神前元、武智健二、棚橋ナッツ、石塚良博、岡野友紀、高尾勇次、内山森彦
スーツアクター
仮面ライダービルド(1~45話)
高岩成二
仮面ライダークローズ、仮面ライダークローズチャージ、仮面ライダークローズマグマ
永徳
仮面ライダーグリス、仮面ライダーグリスブリザード、ミラージュスマッシュ
藤田慧
仮面ライダーローグ、ナイトローグ、ナイトローグ(内海)
渡辺淳
仮面ライダーエボル、ブラッドスターク、エボルト(怪人態)、仮面ライダービルド(葛城Ver.)
岡田和也
仮面ライダーマッドローグ、リモコンブロス/ヘルプロス、キャッスルハードスマッシュ、キャッスルハザードスマッシュ、ガーディアン、仮面ライダービルド(代役47~49話)
中田裕士
スタッグハードスマッシュ、スタッグハザードスマッシュ、キャッスルハザードスマッシュ
鍛冶洸太朗
エンジンブロス
東慶介
オウルハードスマッシュ、オウルハザードスマッシュ
神前 元
ストーリー
第1章
第1~16話
10年前、探査機が火星から持ち帰ったパンドラボックスにより、巨大な壁が現れ、日本は3つに分断される。
東都にはファウストとスマッシュが誕生し人々を脅かす。
現代は人々を守る仮面ライダービルドが活躍。
その正体は天才物理学者の桐生戦兎。
葛城巧殺害の冤罪を主張し脱獄した万丈龍我と出会う。
龍我は仮面ライダークローズとなる。
戦兎を人体実験したのはファウストの幹部ナイトローグであり、その正体は東都首相代理の氷室幻徳だとわかる。
戦兎が住処にしているカフェのマスター石動惣一がブラッドスタークで、龍我に殺人の濡れ衣を着せた張本人だった。
戦兎の正体は記憶と顔を変えられた葛城巧だと、幻徳から知らされる。
戦兎は戦意喪失するが、龍我に叱咤激励され、仮面ライダービルド=桐生戦兎として生きることを決意する。
第2章「ライダーウォーズ編」
第17~28話
パンドラボックスの所有権をかけた戦い。
北都の侵略を受けた東都。
北都からハードスマッシュ(赤羽、青羽、黄羽)が送り込まれる。
戦兎は新しくスクラッシュドライバーを完成させていたが、副作用があった。
しかし龍我はそれを使い仮面ライダークローズチャージとなる。
同じドライバーを持つ北都の猿渡一海/仮面ライダーグリスが現れる。
龍我は副作用で暴走する。
戦兎は惣一から渡されたハザードトリガーでハザードフォームに変身するも、副作用で自我を失い、青羽を殺害してしまう。
東都の首相は幻徳を追放。
北都のライダーと1対1で対決し戦争を終わらせる交渉をする。
だが、青羽殺害のショックに戦兎は拒否。
惣一が諭してフルボトルを使用した戦闘訓練をさせる。
しかしハザードトリガーの副作用で一海を殺害しようとしてしまい、龍我に止められる。
北都首相の多治見喜子はスタークの策略により西都に拘束される。
鷲尾風/リモコンブロスと鷲尾雷/エンジンブロスを送り込み北都を制圧。
黄羽を人質に一海を攻撃、黄羽が庇って落命。
仮面ライダーローグは幻徳、西都の兵器となってでも、パンドラボックスを開こうとしていた。
戦兎は赤羽を仲間にしたがローグにやられてしまう。
東北連合と西都との3対3の戦いで、一海はエンジンブロスに勝利。
龍我はヘルプロスに敗れる。
戦兎はフルフルラビットタンクボトルを開発しラビットラビットフォームとなるが、滝川紗羽がリークしていた為、内海成彰に反撃をくらう。
しかし戦兎はそれも作戦だった。
タンタンクフォームとなりローグに勝利する。
一方、難波会長はスタークに西都首相の御堂正邦を殺害させ、顔を変え自身が西都首相に成りすます。
出典:仮面ライダービルド第26話より
向かって左から、
鷲尾雷(幼少期)渡辺虎雅さんと鷲尾風(幼少期)高岩壮泰さん。
お二人とも、お父様に似てらっしゃいますね!!
最終章「エボルト編」
第29~49話
難波は代表戦の結果を捻じ曲げ、東都に侵攻する。
スタークはパンドラボックスの力でスカイウォールをパンドラタワーに変える。
ボトルを奪う為、鷲尾兄弟を従え、美空を人質にとる。
しかし美空の謎の力が覚醒しスタークを退ける。
その力とは美空に憑依した火星の王妃ベルナージュだった。
戦兎はパンドラボックスを取り返し、ベルナージュに変わる抑制力とするため、ビルドは東都政府と無関係な立場として西都に攻め入る。
一海と龍我も同行。
龍我は仮面ライダークローズマグマとなり、スタークからパンドラボックスを奪回する。
戦争を終わらせる交渉の材料として氷室泰山に渡す。
龍我の遺伝子は構造が通常の人間とは違うことが判明。
しかし人間として愛と平和の為に戦うことを決意する。
惣一もベルナージュと同じ地球外生命体・エボルトに乗っ取られていたのだった。
幻徳に泰山を拉致させ、エボルトドライバーを渡すよう戦兎に要求。
戦兎は密かにエボルトへの反逆の機を伺っていた幻徳と組み、自分の父親である葛城忍の研究データをもとにエボルトドライバーの在処を突き止める。
ドライバーを餌に泰山を奪還するも、ドライバーは内海に奪われ、惣一は仮面ライダーエボルに変身する。
幻徳を始末しようとするが泰山が庇って、息を引き取る。
エボルに毒をうち込まれた戦兎の解毒を引き換えにパンドラボックスを要求される。
龍我はエボルを倒すが、エボルトに乗っ取られてしまいエボルドラゴンフォームに変身。
幻徳のボトルを奪う。
パンドラボックスが開かれたことでパンドラタワーが完成。
戦兎にエボルトが憑依しエボルラビットフォームとなる。
解放された龍我は変身しようとするが出来なくなっていた。
龍我はエボルからドラゴンエボルボトルを奪い仮面ライダーグレートクローズに変身
しかしエボルはクローズら3人のキックを利用してエボルブラックホールフォームに変身。
戦兎は解放されたが、記憶を失っており、葛城巧の記憶が蘇っていた。
エボルトは鷲尾兄弟を葬り、難波も消滅させる。
内海は忠誠を誓い、仮面ライダーマッドローグに変身。
巧の記憶のだけになった戦兎はジーニアスフルボトルを完成させる。
窮地に追い込まれた龍我を見て、記憶を取り戻し、ビルドジーニアスフォームに変身。
エボルトの目的は、葛城忍が開発した人工のフルボトル・ロストフルボトルだと分かる。
ライダーシステムの開発者であること、そして忍は生きており、エボルトに協力している。
黒いパンドラパネルを完成させようとしていたのだった。
しかし、葛城忍の真の目的は、白いパンドラパネルを作り、スカイウォールのない、エボルトのいない世界を作ることだった。
エボルトは忍を殺害し、一海、幻徳、内海も命を落とす。
戦兎は龍我の自己犠牲によって、エボルトを倒し、新世界を作り上げる。
新世界では、かつての仲間や犠牲になった人たちも生きていた。
平和に暮らしていたが、スカイウォールの惨劇以降の記憶とは別の記憶も持っていた。
戦兎は同じく記憶を保持している龍我に再会する。
二人はこれまでの49に分けたエピソードを記録し始める。
出典:仮面ライダービルド第33話より
仮面ライダーエボル。
この登場に筆者は笑いました。
どうみても、獣神サンダーライガー氏にしか見えません!!
似過ぎでしょ!! モロでしょ。
出て来る度、筆者の頭の中は、ライガーさんでいっぱいでした。
この白バージョンとなっても しかり。
筆者の感想
『ビルド』…。筆者はリアルタイムでは観ていません。
録画はしてあったけれど、かなかな観る気になれなかった。
重い腰を上げチラチラとお気楽に観るようにしました。 途中から観れるようになった
そして結局、なんと時期をおいて3巡も観ました…。
3巡も観てすっかり馴染みました。
沢山ある特撮ヒーロー番組の中では、めっちゃ好きな方ではありませんが…。
でも、キャストさん、各キャラクター好きになりました。
良くない点は…。
後半の氷室幻徳のTシャツなどの、妙なお笑いにはドッチラケた。
最後の方の戦いが、やけにしつこくしつこくしつこくて長ったるいのも、しんどくなった。
せっかくの感動的なシーンも台無しにしていた。
話数を伸ばす為に引っ張っていたのかなぁと勘ぐってしまいます…。
諸般の事情もありますからね…。
よくあることかなぁ…。
仮面ライダービルドが最後は代役となりました。
3話となれば、代役というべきか、初めからその予定としてなら代役とは いわないのか…微妙なところでしょうか…。
務められた中田裕士さんが よくないのでは決してありません。
高岩氏は次の記念作品『ジオウ』にお忙しかったのでは ないかと思われます。
でも高岩氏も1年務めた役をしかも最後までやれないのは残念であったでしょうねぇ…。
一視聴者の筆者として 残念でした。
火星の王妃ベルナージュは美空ちゃんに憑依していましたが、中盤、力を失った。
最後はブレスレットが取れる時に久々に登場する。
それがちょっとねぇ…。あれ?? まだ いたの?? と。
それまでに何らかの形で出続けるか、力亡くしたのなら出ないで、ブレスレットは取れるだけで よかったのではないか と思いました。
良かったところ…。
桐生戦兎の中身が葛城巧だということが まだわかっていなかったとき、葛城の実家を訪ねる話がありました。
母役は古村比呂さん。
筆者はここから観るスイッチが入ったのでした。
古村比呂さんがよかったです。
戦兎が玉子焼きを食べて美味しいと言うところも、後から思えば納得ですね。
分からなかったその時も、不思議感が滲んでいました。
戦兎はブラッドスタークの正体が石動惣一だと分かった後、その惣一と しんみりとお店で話すシーン、よかったです。
最後、世界を守り、新しい世界を作り出した後、誰も自分を知らない世界となった。
孤独のヒーローとなった。
住処だったお店に行ってみた。
その様子、表情…。
せつなさ…など複雑な想いが とても伝わりました。
1年務められた犬飼貴丈さん、成長も なさっただろうけど、うまいな、なるほど選ばれる人だなぁと改めて、思いました。
記憶は ないけど、美空ちゃんが「会ったことありますよね」と言うあたりも、嬉しいシーンです。
けれども、お店にはロックバンドの佐藤太郎の写真が置かれていたので、これだ、と父の惣一が言う。
難波重工ではなく、難波機械製作所だった。
内海成彰さんは製作がうまくいかなかった棒を折ろうとする。
会長の杖を折ったシーンにだぶる。
が、この世界ではそれは鉄棒なので折れない。
万丈龍我は黒髪で彼女と存在していた。
でも、あの万丈もいた!?
戦兎と共に、異次の切れ目にいたから無事だったのでしょうか…。
最後は初回と同じバイクシーン。
万丈のチャックが空いている!! というシーンも再び。
仮面ライダービルドは、兎と戦車…等々 妙な組み合わせ。
憑依しされていた石動惣一のコーヒーは超マズかった。
宇宙人だったからですね。
この『ビルド』は二人がこれまでの話を書き記したものだった。
3巡観て、納得いく物語となりました。
回を重ねる度、理解が深まりました。
キャストさん皆さん、よかったです。
そして、やはり主役の桐生戦兎。
サラッとシレっと淡々としているようでいて、激しいシーンもしんみりとしたシーンも、心情がしっかり表現されていました。
犬飼貴丈さん、よかったです。